会いたくても会いに行けない、大切な人に言葉をおくるとしたら。
ネットが普及して久しい現代人にとってLINEやメールといったメッセージの手段が一般的ですし、手軽で便利。電話をする必要があるときもいきなり架けるのではなくメッセージのやり取りで相手の時間をとってもいいかどうか確かめてからの事が多いですね。 印字やデータ上の電子文字に慣れすぎて最後に手紙というものを書いたのはいつだったかと筆者は思い出せないほどです。
一方利用者様にとっては 便箋や絵はがきに筆や万年筆、ボールペンで綴った「おてがみ」が馴染みあるものだと思います。お誕生日になりますとメロディー付き電報が施設へ届いたりもします。個人宛なので封書や電報は勝手に開くことはせず、ご本人様へお持ちしますが その際お願いされれば文面を読み上げさせて頂くことがあります。ただの定型句ではない表し切れない想いを込めた文はたとえ印字であっても温度を感じますね。またおてがみでのご家族さま自身の筆跡でつづる言葉、何度も消し書き直した跡のある鉛筆の文字、漢字・ひらがなの使い分け。所々にある墨やインクの滲みは次の文の書き出しを思案し筆やペンを止めたものでしょうか。それらを見ていると、ことの葉を選びだして紙に吹き込んだ ふみ に胸が熱くなります。
新型コロナウイルス拡大防止のため、未だに面会禁止が続いているほっとハウスです。最近施設へ届く郵便物に、ご家族から入所者様宛のお手紙がずいぶん多くなりました。そういえば母の日も近いですね。中には有り難いことに職員への激励と応援のお言葉も…。
今は従来通りのご面会をさせて差し上げられない立場上、涙が出そうです。ありがとうございます。ご深慮とご理解そしてご協力が利用者様を護ることに繋がっています。心から感謝致します。
緊急事態宣言が終わり、安全が確認され、いつか面会が解禁となりましたら、その際はどうぞ皆さま ほっとハウスへお越しください。
猫舌モチ